2005-12-25-Sun 久しぶりに。 [長年日記]

_ [Days] 34円パーティー。

もちろん、34円ではできません。僕が学生時代に先輩が書き殴った3千円が34円に見えたことから、この時期に石庵で鍋を囲むパーティーを34円パーティーとよんでいるのです。

ということで、ネットで久しぶりに石庵を検索してから行きたい熱がさらに高まったため(5年前と比べると石庵情報がかなり増えていてビックリ。しかもほとんどが好評価。当然ですけど。)、T島夫妻を誘って石庵に行くことに。T島夫が石庵オープンからの付き合いで10年になるから僕は石庵7年目ですね。こう思うと時間がたつのが早いなぁ。でも、7年でもまだ2桁しか行けてない軟弱モノです。

2年ぶりの34円パーティーで、予約するときに「鴨鍋あります?」と聞いたら「もうやってへんのやわ。でも、鴨は用意しといたるわ」と言ってくださって感謝。

石屋川に着いて連絡してみると2年前と同様にT島夫妻は渋滞に巻き込まれたために遅刻。僕と彼女が先に始めることに。

_ 一品目:サラダ。

スティックにした野菜を蕎麦味噌をつけていただく。オクラに蕎麦味噌がすごく美味しかった。最近子供の頃嫌いだったオクラが意外とイケることを再発見したばかりなので新鮮でした。他にも、フキやセロリの葉っぱなどがあった。

あと、横につけてあったポテトサラダみたいなものの正体を当てれなかったことが悔しい。正解は百合根。食感で分かっていたのだけど名前が出てこなかった。ちなみにT島夫妻は当てていた。

T島夫妻を待ちながらなので石庵のご主人と駄弁る。蕎麦の出来具合。最近の景気のこと。ネットの評価などなど。

蕎麦は去年が最悪だったので、今年去年分の損失を補填するために蕎麦粉を卸してもらっている村が蕎麦粉の値段を上げてきたらしい。そのためとうとう蕎麦の値段を100円UPすることになったとのこと。「できればやりたくなかったんやけどなぁ。流石に苦しいからなぁ」と。

ネットのことは「やっぱり怖いよ。『店主がうるさすぎ』とか書かれてるらしいね。ワタシどんな話題でも首に突っ込みたがるから(笑)」でも、石庵さんの魅力はこの豊富な話題だと思っているのは僕だけでしょうか。

_ 二品目:蕎麦がき。

蕎麦がきから彼女がデジカメで写真を撮りはじめる。実は石庵さんは昔デザイン関連の仕事をしていたので自前の暗室を持っていた話を聞き、そこから写真にまつわるちょっとエッチな話とかを聞く。僕もケータイで蕎麦がきだけ撮ってみました。

蕎麦がきは熱いうちに食べるのがやはり美味しい。熱いうちだとすごい弾力感と香りが口の中に広がるのが分かりやすい。冷めると硬くなってしまうしね。

_ 三品目:蕎麦寿司。

石庵さんの田舎蕎麦に次ぐ目玉になってきている蕎麦寿司を頂く。さっと火で炙った海苔がいい香りを出して蕎麦の香りとオオバの香りと三種の香りのハーモニーを作り出している。具もシンプルにエビだけというのが蕎麦の食感を楽しめていい。

いい海苔使ってますねと言うと「やっぱり蕎麦は香りが大切やろ。だったら海苔もいいもの使わないと」と。

この時点でT島夫妻が到着してあっという間に料理を平らげて僕らに追いついた。

_ 四品目:鴨焼き。

「リクエストあったから特別メニューですわ」と言いながら鴨焼きを出してくれた。鴨とネギを蕎麦汁の元である本返しで甘辛く絡めた焼き物。久しぶりの鴨にほっぺたがとろけそうでした。鴨焼きを食べてると「ご飯が欲しいよな」ということでご飯をよそって頂き、白飯と鴨焼きというなんとも贅沢な特別メニューでした。

_ 五品目:天麩羅盛り合わせ。

ご飯が欲しいという一言で最初は天丼になる予定だったが、やっぱり鴨焼きは白飯と食べるのが一番だねということで、天麩羅は盛り合わせに。数の子の天麩羅なるものを初めて食べた。美味しかったけど、でも、数の子はそのまま食べるほうが好きかも。

_ 六品目:田舎蕎麦。

やっぱりざる蕎麦を食べないと石庵に来た気がしない。細めの蕎麦でボリュームとしてはあまり多くないけどしっかりとした咽喉越しと、なによりツユにつけなくとも蕎麦本来の甘味で充分いただける味が一品。僕が二八ではなく十割を好きなのはこの甘味と香りのため。ペロリといってしまいました。蕎麦湯はダッタン蕎麦を溶いて作った結構濃厚なもの。これは好き嫌いが分かれるらしい。彼女はもっと薄いほうが好きとのこと。

_ おまけ:オレンジ。

最後のデザートにオレンジを出してもらう。このオレンジも甘くて美味しかったが、お客さんによっては「蕎麦の香りがなくなってしまうから絶対に食べない」という人もいるらしい。流石蕎麦通。

これだけ頂いて3000円ははっきり言って安いです。T島さんの付き合いの深さのお陰が多分にあるのですが、こういったサービス精神こそ石庵さんが「神戸では一番」とネットで噂されるくらいの蕎麦屋になった理由だと思います。

次は年越しの献上蕎麦かな。

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