2006-04-11-Tue バナナホール閉鎖。 [長年日記]

_ 天満、扇町の文化を考える。

 大阪は風俗街の中に異質ともいえる建物が存在していた。バナナホール。名前だけ聞くとバナナの叩き売りをしている会場みたいだがれっきとした老舗のライブハウスだ。
 そのバナナホールが先日、曽我部恵一のライブをラストに閉鎖された。関西の老舗ライブハウスがまた一つ姿を消した。僕自身はライブハウスに行かない人だから、ライブハウスとしての思い出も、ライブハウスがどうあるべきかを語ることもできない。
 街並みが変化することが悪いことだとは思わない。新しいものが作り出されなければ変化は訪れないのだから。しかし、シンボルマークが無くなるのは文化面で大きな損失感を感じてしまう。扇町ミュージアムスクエア(OMS)の時でも感じたことなのだが、地元の文化発信点としてのシンボルが無くなることは街としての灯火が一つ消えたような気がしてならない。それは二十数年育ってきた場所だから感じることなのだろうか。
 元OMSのマネージャーであり、SINGLES PROJECTの代表である山納洋さんはOMS閉鎖の感想をこう述べられている。
扇町ミュージアムスクエアがなくなるってなったとき、
これで文化の灯が消えるということがマスコミで散々言われたんですね。
だけど、実際にそうだったのか、ということを疑ってみる。
それって表層的なことなんじゃないか。
実際、扇町ミュージアムスクエアと近鉄小劇場がなくなった後、
大阪では劇場の数が増えているんですね。
文化の灯が消えるといわれたけど、そうじゃないんですね。
現場レベルでいろんな動きがあって、
そういうことをきちんと検証していく必要があると思います。
第15回 ややこし研&扇町Talkin' About共催企画「社会学*カフェ→それから」より。

 確かに実際問題として天満や扇町近辺の文化が消えているのかというと中崎町のレトロブームだとか、雑誌『天満人』の好調、常設寄席「天満天神繁昌亭」の新設など明るい話題は少なくない。しかしながら老舗の看板がつくまではまだまだ時間がかかる。天神橋筋商店街など老舗の商店が軒並み店を閉めて、今ではパチンコが数多く立ち並んでいる商店街になりつつある。もう"商店"街ではない。昔の商店や老舗にはホスピタリティがあった。
 もちろん、今新しい文化として頑張っているところにもホスピタリティはあるが、老舗というのは歴史があるだけでそれだけ人のつながりがあるということだ。ホスピタリティをベースとして人のつながりが広がっていくことこそが文化を生み出す。その点で老舗が一つ消えたことは残念だが、次の老舗の台頭まで文化が消えないように見守っていくor参加していくことが地元民の努めなのかもしれない。
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本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
eL' (2006-04-13-Thu 16:59)

風俗街の名称が解らずにタクシーの運転手にバナナホールまでって言った事がある。ちなみにどこへ行ったかは秘密だ。

どぉ (2006-04-14-Fri 14:17)

どこに行ったのか興味ある(笑)

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